2022/09/12

冒頭読書感想文・1 『コンビニ人間』村田沙耶香

読みたい本をすべて読めるわけではないので、Kindleのサンプル部分を読んで冒頭読書感想文を不定期で書いていきます

つづきが読みたくなった作品は最期まで読んで、そのうち別口で感想を書くとおもいます

初回はいろいろな人が推している、村田沙耶香さん著『コンビニ人間』いきます


 コンビニエンスストアは、音で満ちている。客が入ってくるチャイムの音に、 店内を流れる有線放送で新商品を宣伝するアイドルの声。店員の掛け声に、バーコードをスキャンする音。かごに物を入れる音、パンの袋が握られる音に、店内 を歩き回るヒールの音。全てが混ざり合い、「コンビニの音」になって、私の鼓膜にずっと触れている。

村田 沙耶香 (2018-09-04). コンビニ人間 (文春文庫) (Kindle の位置No.25-29). 文藝春秋. Kindle 版. 

 

わりとコンビニスキーなのでざああああっと目の前に光景が浮かぶようだった イメージは青いコンビニ

映像として見えるコンビニ描写のあとに


 コンビニ店員として生まれる前のことは、どこかおぼろげで、鮮明には思いだせない。

村田 沙耶香 (2018-09-04). コンビニ人間 (文春文庫) (Kindle の位置No.75-76). 文藝春秋. Kindle 版. 


ときて、純文なのに引きが強いってどういうことだ、訴えるぞ、とおもいました(こなみ)

この一文かなあ、これが起点となって書いたのかなあ
わかんないけど、わたしがこの一文思い浮かんだら、確実にドヤ顔で書きなぐったとおもう

淡々と子ども時代のことをなぞって行く過程で、主人公がいろいろつまづきがちな人生を歩んでいるんだろうな、と心配になるけども、本人がわりと平気そうに思えるのがなんとも……ASDかなあ……ASDだろうなあ……じゃないかなあ……

1998年に大学1年ということは、子どものころはそれを「治らなくては」と思ってしまうのは時代的にしかたがないよなあ、と……25年近く経った今でさえ、対処法が確立しているとは言い難いわけだし ご親族がとてもいい人たちなのが救いだけども、やはり『治る』ことを望んでいるのが現代人目線で痛々しかった


 今まで、誰も私に、「これが普通の表情で、声の出し方だよ」と教えてくれたことはなかった。

村田 沙耶香 (2018-09-04). コンビニ人間 (文春文庫) (Kindle の位置No.176-177). 文藝春秋. Kindle 版. 


うるっときた
ああ、よかったね、『生まれる』ことができたんだね、と

『普通』ってなんだろうね、わからないよ、難しいよ
教えてもらわなきゃわからんよね、普通とどう違うかなんてさ
昔の自分のこととか思い出してエモエモしかった

そして前振り評判で聞いていたよりもずっと読みやすくてすっと入ってくる文章だったし、華々しいことを書いているわけではないのに引きが強くて先が気になる

いいね、読みやすいと同時に心に残る文章
そういうのが書きたいね

これは今度続きを読もうとおもう

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